本について

印象に残っている本について、つらつら書いてみます。


私とは何か ―「個人」から「分人」へ―

私とは何か
< 平野啓一郎(講談社現代新書)>
この本と、2013年8月20日に放映された『哲子の部屋』(NHK Eテレ)という番組には共通点がありました。それは、「本当の自分とは何か?」という問いを検討し、両者共に、この問い方自体に疑問符を立てている、という点です。

Eテレは哲学者ドゥルーズを取り上げ、人間が時間とともに"変態する(性質を変える)"ことに焦点を当てていました。平野氏の"分人"の考えとは異なりますが、どちらも、一人の人間の一貫性を、安易に前提しない点で共通しています。

"本当の自分"とか"自分探し"という発想に違和感がある方に、この本と「哲子の部屋」をお薦めします。


心のスケッチブック

心のスケッチブック
新宿通り沿いの小さな公園で繰り広げられた、名もない人たちの物語。文字で描いた、ちょっと物悲しいスケッチブックです。ほんの少しでも気になった方は、是非ご一読ください。(表紙をクリックしてPDFを表示)
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